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インタビュー相手

【プロフィール】
木村 優 (きむら ゆう) / Kimura Yu

CauchyE, Inc. CEO & CTO
学士 (経済学)
経営学修士
博士 (情報学) 課程学生

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CauchyE代表の木村さんに聞く、UnUniFiってなんですか?

今回はゲストの木村優さんとStir加門の対談スペースを文字起こしした記事です。

加門:皆さんこんにちはStirの加門です。

今回は、株式会社CauchyEの木村さんにお越しいただいて、ちょうど昨日ローンチされたUnUniFiのこととかNFT並びに、木村さんがこれからどういうふうにしていきたいか?ということを聞いていければなと思ってこういったコラボ収録をさせて頂きます。

まず簡単に木村さんの自己紹介を聞きしてもいいでしょうか?

木村さん:木村優といいます。滋賀県で生まれたんですけど、2018年の3月に学生起業という形で起業しました。そのときからずっとブロックチェーン界隈にいます。

2018年3月っていうと自分が京都大学経済学部の3年生だったときですね。そっからもうずっとブロックチェーンやってるんで、そのどこかの会社に自分以外の会社に属したとかそういうことがあるわけじゃないという、特殊なタイプです笑。

加門:なるほど笑。

木村さん:そのときは何やったかっていうと、いわゆるその前払い式ステーブルですね。例えば今だとJPYCさんとかがやってるスキームを当時生み出したのが自分でした。

今はもう止めてるんですけど、法律の隙間つくみたいなこととか、そういうこともやったりしていましたね。

加門:うんうん。

木村さん:UnUniFiでいうと例えばコスモスSDKという技術とか使ってるんですけど、そういうコスモスの技術とかっていうのも、かなり早い段階から目つけていて、2019年にはもう既に目をつけていました。

2019年だと、例えばそのコスモスvsポルカドットみたいなプロレストークイベントをAstarの渡辺くんとやったりとかしてて、3年ぐらい前からもうずっとコスモスの技術も追い続けています。

一応大学院は経済学部データとその経営管理大学院っての出て今情報学研究科っていうところの博士課程に在籍はしてるんですけどももう休学する予定でいます。

休学してUnUniFiのプロジェクトのためにシンガポールに飛ぼうとしているという、そういうステータスですね。

加門:なるほど。

木村さん:大学院ではデータサイエンスとか、あとはマルチエージェント強化学習っていう複雑な人工知能みたいなそういう技術をやってたりもしたんで、その辺の多い知見もあったりはします。

今年で言うと、Noteを読んでいただいた方結構いると思うんですけど、とある個人投資の方がですね、4億円分相当のアトムと、コスモスハブのアトムトークンですね。

とかあと1億円相当のコスモスネットワーク系のトークン、ジュノーとかですね。

加門:ジュノー?

木村さん:そういうトークンの秘密鍵がハッキングされまして、全くその秘密鍵が流出した経路がわかってないんですけど、秘密鍵が盗まれてその個人投資家の方がステーキングしてた残高が勝手にステーキング解除されちゃったっていう事件があって、そのステーキング勝手に解除されちゃった残高をハッカーより先に引き出すっていうボット開発して5億円分救出した、みたいなことをやったりして、これがかなり自分の人生の中でもかなり大きな事件ですね。

そういう経験をしたりもしました。こんな感じの自己紹介ですね。

加門:経済学のP.hD直前だったり、セキュリティハッカーだったり、開発だったりいろんな顔を持つ木村さんなんですけども、ちょっと後でコスモスとか詳しくない方も多いと思うので、そういったところは深堀していきたいなと思っています。

個人的に一番聞きたいのは、まさに昨日ベータローンチされたっていう「UnUniFi」というものを作られたと思うんですけれど、こちらどういったもので、どういったものを解決しようとしてるか?みたいなことをお聞きしてもいいでしょうか?

木村さん:昨日ベータメインネットローンチというのは、いろんな機能を制限した状態でのローンチであるんですけどメインネットローンチしたのがUnUniFiというブロックチェーンでして、これは自分たちで独自で開発しているブロックチェーンですね。

加門:独自なんですね?

木村さん:はい、コスモスSDK呼ばれるツール使って開発する独自のブロックチェーンなんですけども、独自のブロックチェーンなんで、例えばそのイーサリアムとかソラナういうプラットフォームに乗っかっているスマートコントラクトとかそういうものではない、独自のブロックチェーンですね。

加門:独自チェーンで何ができるんですか?

木村さん:この独自のブロックチェーンで何ができるかっていうと、いわゆるNFTFi領域の機能が扱えるようになっていて、簡単にはNFTを担保に借り入れを行ったりとかそういったことができるようにしてます。

加門:なるほど。

木村さん:ここではですね、既存のNFTFiの領域でもイーサリアムとかのプラットフォームでいくつか既にスマートコントラクトは存在してるんですけども、未だにうまく解決されていない問題としてNFTの資本効率とか流動性の問題とかが非常に大きな問題として残っています。

加門:大きな問題ですか?

木村さん:例えばNFT、有名どころで言うとCryptopunksとかAzukiでも何でもいいんですけど、買うじゃないですか。何ETHとかで買って、そのETH分の資金は当然ながらNFTの運営に行くわけですけども、NFTを買った人がそのNFTの資金分をちゃんと払ってるわけですよね。

加門:うんうん。

木村さん:その資金をNFTを買わずに持っていった場合、例えばそのユニスワップとかで運用するとかでインカムゲインみたいものが得られるわけじゃないですか。

なんだけど、この資金をNFTとして買ったとして、そのNFTからインカムゲインみたいなものを生み出すことができるのかっていうと、今むちゃくちゃ難しいじゃないすか。

加門:難しい!

木村さん:実際にそのNFT持ってるだけで利子が生まれるっていうのが公式からサポートされてるわけではないし、例えばそのNFTを直接人に貸し出す、個人契約をするとかしてたら話は別なんですけど、そもそもマッチングが難しいというのがあって、でもNFTと資本効率が非常に低くなっているってのは問題としてあります。またNFTは流動性も乏しいですね。なのでその価格発見というのは非常に難しいようになっていて、

加門:うんうん。

木村さん:実際チェーンリンクのようなブロックチェーン内のいろんなデータとか、そういうのを提供するサービスみたいなものです。そういうサービスにおいてもNFTの価格は基本フロアプライスのみが取り扱われていて、フロアプライスというのはNFTwお売る側の最低落札価格の設定パラメータですね。くらいしか取り扱えないが現状で、これは流動性が乏しいからなんですけども、

そのようにフロアプライスしか扱えない、それによってNFTを適切に評価できないっていう、そのような状況をUnUniFiは解決することができます。

加門:むちゃくちゃ難しい単語が出てきて、すぐに理解するのは難しいんですけれども(笑)、キーワードだけつまんで言うと、NFT関連のファイナンス。NFTFi領域ですよと。それを使ったコスモスSDKの独自チェーンですよね?

木村さん:はい。

加門:現在のNFTFiっていうか、NFTのプラットフォームに依存する部分とかあるけど、これってまだまだ改善する余地があるよっていうところで、UnUniFiっていうのをやっていくぞというような理解で大筋間違いないですかね?

木村さん:そうですね、NFTFi領域だとイーサリアムとかにも、名前出すとjpeg'Dとか、そういうDappsあるんですけど、まだまだ資本効率の問題だったりとかで、課題感が散見されるような領域になってるというふうに認識してます。

加門:なるほど。そういったJpeg'Dだとか、そういったそのNFTのプラットフォーマーとかが競合と言っちゃあれですけど、指標になっている感じですか?

木村さん:はい、そうですね。潜在的にはそうなっていますね。

我々は全く違う仕組みを使ってNFTFi領域にアプローチするので、その全く仕組みが一緒の競合とかそういうわけではないんですけども、NFTFiっていう大きなくくりで見ると潜在的には競合になっているそういう立ち位置ですね。

加門:なるほど。ちょっと今聞いてて思ったのか何か、今ってなんやかんやでイーサリアム互換のNFT、ERC20とかあると思うんですけども、この辺りって独自チェーンのコスモスSDKの方にどう持ってくるとか、もしくはそのままでもいいのかとか、というのはあったりするんですか?

木村さん:そうですね、二つのアプローチを両方同時並行でやろうと考えていて、一つ目のアプローチは、Gravityブリッジと呼ばれるようなブリッジの仕組みがコスモスネットワーク内にあるんですけども、それを活用するってのが一つ目の手段ですね。

加門:Gravityブリッジ?

木村さん:Gravityブリッジっていうのが簡単に言えばイーサリアム上のERC721のNFTをコスモスネットワーク内のNFTとして持ってくることができる、いわゆるブリッジの機構なんですね。

加門:なるほど。

木村さん:そのGravityブリッジってブロックチェーンはコスモスSDKで作られていて、別のコスモスSDKで作られているブロックチェーンと簡単に連携できるんですよ。IBCと呼ばれる通信を使う。

で、UnUniFiはコスモスSDKを使って作っているのでIBCと呼ばれる通信でGravityブリッジのブロックチェーンとを簡単に連携できる。

加門:、なるほど、連携できるとどうなるんです?

木村さん:そうすることでイーサリアム上のERC721をUnUniFiのブロックチェーンに持ってくることができるっていうのが実現できます。これが一つ目のアプローチで、これはまずサポートする予定です。

加門:なるほど。

木村さん:もう一つのアプローチはイーサリアム上で持ったまま、UnUniFiに出品できますよっていうアプローチですね。これの特段のメリットは、例えばMoonBirdsみたいなNFTって「nesting」と呼ばれる仕組みがあるんですけども、これはどういうことかっていうとNFTを誰かにそのトランスファーはできないようにする代わりNFTの中のレベルが上がるみたいな、そんな感じの仕組みなんですよ。

加門:うん。

木村さん:そういう仕組みを使っていると、やっぱり例えばUnUniFiにNFTを預けることで出品ができるみたいなそういう仕組みの場合、nestingしたまま出品するとかが事実上できないわけですよね。やろうとするとUnUniFiの預かりのコントラクトアドレスみたいなものが、nestingを代わりにするみたいなめちゃめちゃ複雑な機構にならざるを得ないので、それは事実上非現実的なんですけど、イーサリアム上で、その本人が本人のアドレスにNFTを持ったままUnUniFiの展示場というか、そんなものの中にNFTを出品できるっていうように仕組みを用意します。

これによってMoonBirdsでnestingしながら出品するみたいな需要にも応えますし、またユーザーの手間もかなり減らすことができるというふうに考えています。

加門:なるほど、そうすると今の二つっていうのは、NFTをブリッジすることによってイーサリアム上からトランスファーするっていうGravityブリッジの方法と、実際には持ったままで、例えばメッセージとかで、オフチェーンでっていうんですかね?別のチェーンにあるように見せるじゃないですけど。

木村さん:そうですね、はい。二つ目のの方法は完全に仰る通り、その別のチェーンに持ってますよみたいな情報を出品するみたいなそんな感じになりますね。

でただし成約があって、やっぱり持ち逃げする恐れがあるじゃないですか?そういう出品形式だと。

加門:うん。

木村さん:普通にイーサリアム上でこういうNFT持ってるんだよ。UnUniFiで出品しますよっていうやり方をUnUniFiの金庫にNFTを預けずに出品した場合、入札を受け入れてNFTの対価を受け取ったにもかかわらずNFTを送らずに逃げるっていうことが、可能性としては起きちゃうんで、そういうのを防ぐために、例えばUnUniFiのガバナンストークンを一定程度ステーキングしてる人に限り、そういう機能が使えるだとか、そういうガバナンストークンの持ってる人だけとか、一定程度信頼のおける人に限り、そういう仕組みを使ってもらうといったような仕組みを考えてます。

加門:なるほど、確かに。そのあたりってオフチェーンになった瞬間に急に担保なにってなるんで。ガバナンストークンだとか。逆に変な例になるけど、テラとか、ガバナンストークン等々はプラスのときはめちゃくちゃプラスなるし、マイナスのときははそれもまた倍になってマイナスになるから、この辺の設計とかすごくデリケートだなと思いました。

木村さん:そうですね、ガバナンストークンの価値が安定する仕組みとかも、後ほど話せればなと思います。

加門:仕組みとしてすごく面白いなと思って聞いてました。その目的というか、投票だけじゃないと思うんですよね。だし、その価値の価格の安定というところを、どういうふうにして仕組み化しているのかっていうところもお聞かせいただけますでしょうか?

木村さん:まずUnUniFi自体はプルーフ・オブ・ステークのアルゴリズムを使っているブロックチェーンですので、UnUniFiのガバナンストークン「GUU」というトークンなんですけども、それをステーキングすることでブロックチェーンの更新に参加することができます。

で、それに参加してればステーキングリワードを得られるというのは、これは典型的な他のコスモス系のブロックチェーン。

加門:コスモス系のブロックチェーン?

木村さん:例えばアトムとかジュノーとか、そういったものと大体一緒なんですけども、それだけではなくてですねUnUniFiでは、例えばガバナンストークンをそういうステーキングしてる人に対して、UnUniFiのNFTFIの仕組みの中で使われるNFTのマーケットプレイスとかそういったところで発生する「取引手数料」とかをですね、分配を受ける権利というのも得られるようにするように開発をしています。

加門:なるほど。

木村さん:例えばですね、UnUniFiでは、NFTを持っている人がNFTを出品というか売る気がなくても出品できるんで「展示」といった方が正しいかもしれないんですけども、展示ができるんですね。

その展示に対して、それを欲しいなって思った人が、一定程度のデポジット付きで入札を行うんですよ。

その入札の「デポジット分」から出品者が借り入れができたりとか、デポジット分を担保に合成資産をMakerDAOのような仕組みで発行するとか、こういったことができるんですけども、その入札をした人のですね、その出品した人が、入札を受けつけた後でですね、借り入れしてその借り入れたトークンの中で当然、借り入れた金利は支払わないといけないいいわけですね。

加門:なるほど。

木村さん:例えば出品期間の延長とかっていうのはもう手数料を支払わないけない。

要するに借り入れの期間延長とかですね、それも自由にできるんですけども、借り入れの期間を延長した際は手数料を支払わないといけないようになっていて、その手数料の支払いのトークンがガバナンストークンで支払うんじゃなくて、入札するために指定されたトークンで手数料を支払わないといけないっていう設計なんですよ。

加門:ふむふむ。

木村さん:例えば、出品した人がNFT出品します。これはETHで入札してくださいっていうふうに指定することができるんですね。

加門:うん。

木村さん:このETHはも、例えばGravityブリッジとか他のコスモス系のブロックチェーンのトークンとか、そういうところが、IBC通信で持ってくる、ブリッジして流通するようにするんですけども、例えばETHで入札してくださいっていうふうに出品者が指定した場合、入札する人ってのは当然だがETHで入札します。

で、出品する人が出品期間を延長したい場合。要するに入札を受け続けて借入期間を延長したい場合だったりとか、そういうときにはETHで手数料を支払わないといけないんですね。その手数料が当然ながらその入札した人に対して一部分配されるんですけども、もう一方というか、残りの部分っていうのがブロックチェーンのプロトコルの金庫みたいなところにどんどん貯められていきます。

加門:うんうん。

木村さん:で、そのETHみたいないUnUniFiのガバナンストークンじゃないトークンがUnUniFiのガバナンストークンのホルダーに対してちょっとずつ分配されていくんですよ。

これの何がメリットかっていうと、例えばGUUをステーキングしてる人に対してGUU で報酬渡すと、これってGUUを希釈してる。新しく発行して薄めて、報酬を渡してるだけの、何ていうか、

加門:売圧になる?

木村さん:売圧にもなりますし、実質ほとんどプラスになってないような薄めてる分を渡しているだけみたいな感じでプラマイゼロみたいなそういう報酬体系をとってるブロックチェーンもあるんですけども、UnUniFiのこの仕組みだとETHみたいなガバナンストークンとは全く関係のないトークンっていうのを報酬に渡せるようになっていて、ここがかなりガバナンストークンをステーキングして、プロトコルの中でご取引が活発になるっていうことに対して、みんなが積極的になれるような仕組みっていうのを作っています。

加門:なるほど。

加門:またこれが要するにGUUをステーキングしてるだけでETHの報酬が入ってくるとこれ、確実に価値の源泉になるのでこれもガバナンストークンの価格が安定する価値が向上できるような仕組みになっている。そういう設計を考えていますね。

加門:なるほど、面白いですね。その理由がやっぱり1個大きいのは、グラビティブリッチていうか、コスモスSDKのいいところをめちゃくちゃ使ってるなって思いました。

やっぱりどうしてもイーサリアムのチェーンだと、自分のチェーンを横を繋ぐにはやっぱりブリッチだったりとか、ロードマップとかをしなきゃいけないので、なかなか時間もかかるし、どう繋ぐのかっていうところも結構大変だと思うんですけど、そこのところをコスモスSDKっていうコスモス系のトークだったら同じ企画に乗せていれば交換がしやすいっていう特徴を生かしてるっていうことが一つと、あと私自身がいろんなネットワークのバリデーターをやっているので、そのステーキング報酬を渡す私ほど希薄化するよねっていうのはその通りだなというのはあるし、とはいえ、そうじゃないトークンを渡す仕組みもあったんですね。

木村さん:うんうん。

加門:例えば昔のWAVESっていうのは似たような仕組みだったんですけど、ただそことも全然違うなと思ったのは、WAVESがコミュニティトークンを報酬の一部として渡していたっていうのがあったんですけど、結局そのトークンの価値を誰も維持できなかったので、やめちゃったんですけど、ただ今回の場合は、他に既に別のとこで価値を、例えばイーサリアムやったらイーサリアムを頑張ってる人たちが価値を維持するというか、価格を維持する人が他にもいるっていうのがPoWとPoSの間みたいな感覚がしました。

木村さん:おっしゃる通りで、UnUniFiのコミュニティ内でそのガバナンストークンとは別のトークンを発行してるってことは全く違っていて、例えばUSDTみたいなもう中央集権的なエンティティが価値を担保してるみたいなそういうトークンだって、やろうと思えばIBCで何とかブリッジングして、UnUniFiの中に流通させて、それを入札に使う。入札手数料として支払うようにして、GUUのステーキングをしてる人に分配するといったことも可能になりますね。UnUniFiとは関係ないところで価値が担保されているトークンってのがGUUのステーキングしてる人にどんどん分配されていくので、全く分配を受けるだけで希釈がどんどん進んでいくっていうような仕組みには全くならないような仕組みを考えてますね。

加門:希釈が全く進まない仕組み?

木村さん:全くと言うと語弊があるかも知れないすけど、でもその価値が下がらない、例えばそのBMDTだったりすると、そのBinanceの売り上げの一部がバーンされるみたいなことの逆だったりとか。そこの価値を維持する仕組みっていうのがすごくユニークで面白い。

加門:たしかに。木村さん、ありがとうございます!もう少しで30分経ちそうなんで、次の話に行こうと思うんですけど、ここまでのところでこの辺話したいんだけどみたいなんで、ちょっと話したいことがありますかね?

木村さん:じゃあ、ちょっとその既存のNFTFiのJpeg'dとかとの仕組みとの違いとか話しておきますね。

加門:ああ!いいですね!

木村さん:Jpeg'dの仕組みは、これもやろうとしてることは似ていて、NFTを担保に現状だとCryptoPunksしか対応してないんですけど、NFTを担保に入れて借入または構成資産の発行ができるっていうそういう仕組みになっています。

ただ決定的な違いっていうのはこのCryptoPunksなんですけど、それの価格っていうのをチェインリンクからフロアプライスを取得するようになってます。この仕組みの何が問題かっていうとまず一つ。フロアプライスって、さっき言ったように出品者側の最低落札価格のことなんですよ。

あくまでその出品者が決める値であって、その最低落札価格で買いたいっていう人が必ずいるっていう、そういう値ではないんですね。

加門:なるほど。

木村さん:供給側の論理であって、需要側の論理じゃないといいますか、そのフロアプライスで確かに需要が存在するという保証があるわけではないんですよ。

加門:過去過去の実績でうと、この値段で売れましたよ、ていうの最低値段ってことですよね?

木村さん:そうですね、過去を見てるので、今すぐそれがその価格で売れるっていうわけではないっていうやつ。で、それを使っているんで、ある程度そのプロトコルが保守的な担保率に設定せざるを得ないんですね。

例えば、Jpeg'dだとNFTの価格フロアプライスを取得しましたと。で、その33%分しか担保に使えないんですよ。

NFTの価格2ETHだったと仮定して33%だから、0.66リッター分しか担保に使えないっていうそういうことになっちゃうんですね。3ETHだとしたら1ETH分しか担保に使えないっていう、そういう仕組みになっているっていうのがまず一つありますね。

そういうフロアプライス使っているから担保率を低く設定せざるを得ないっていうところが結局、その担保に使ったとしても資金効率あんまりよくないよねっていうペインに繋がったりもしています。

加門:へーなるほど!

木村さん:もう一つ、既存のNFTFiの領域としてはNFTFi.comっていうのもあるんですけど、これはシンプルなピアツーピアのNFTの貸し出しのマッチングですね。

NFTが担保に入れて、WETHを貸してくれる人を待つっていう、そういう仕組みなんですけど、もうあのむちゃくちゃマッチングがしにくいんですよ。

加門:マッチングしにくい?

木村さん:完全に欲求の二重の一致といいますか、貸し出し需要と借り入れをしたい需要っていうのが、完全に一致するっていう機会がなかなかないのでマッチングが非常に難しいっていう問題を抱えています。

UnUniFiは中でマーケットを持って入札を中でしてもらえる、出品者は売る気がなくても出品ができるっていうそういう仕組みなんですけども、その辺が既存のNTTFiの領域のDappsとかと決定的に違うところですね。

加門:そっか、その出品じゃなくって展示とか貸し出しになるから、いずれ返ってくるよねっていうようなものは、UnUniFiはそういった性質っていう理解で合ってます?

木村さん:そうですね、UnUniFiは売る気がなくても出品できるんで展示みたいなもんなんですけども、その入札する側としてはもしかしたらワンチャン手に入るかもしんないよねっていうそういう欲求も満たせます。

加門:売れるしみたいな?

木村さん:はい、そうです。出品者側からしても、借入するだけじゃなくてめちゃくちゃ高い入札が来たら、「あ、もう売っちゃおう」っていうそういう選択もできるわけなんですよ。そこが結構違っていて、その可能性もあるんで入札する側としても、入札するだけで金利手数料入るってなったら「入札しておくか、もしかしたらワンチャン手に入るかも」っていうそういう欲求が満たせるかなっていうそういう設計にしてますね。

加門:なるほど。先程の中であの担保率の話があったと思うんですけど、割とこの辺りって、担保率云々も大事ですし、あとは担保に入れたやつを、NFTの価格って上がるときに下がって結構激しいと思っていて、それを例えばそのGUUホルダーからすると、ちゃんと回収できるかみたいなところは気にはなると思うんですけど、その辺りってどういう仕組みで動いてるってありますか?

木村さん:UnUniFiの借り入れの仕組みって技術上、入札した人の入札デポジットから借り入れてるのと経済的には意味が一緒になるようになってるんですよ。それを欲しいと思った人が入札をします。で、一部のデポジットに入札すると。出品者はそのデポジットの中から借り入れができるみたいなそういう仕組みになっていて、

加門:あー、そうか!なるほどです。

木村さん:あくまでその入札のデポジット部分っていうことになるので、NFTの需要が変化しようがしまいが結局その入札の部分が担保になってあまりNFTのボラティリティに影響を受けないような仕組みになっているかなというふうに考えてます。

加門:NFTのをなんか売って買ってというよりは、NFTがあるけど最終的にもしめちゃくちゃ下がったら、その人が預け入れてる資産をロックするなり回収するっていうようなイメージですかね?

木村さん:そうですね。入札デポジット分から出品者が借り入れをしたとしてそれが返せなくなったとか、暴落して入札する人がどんどん減っちゃってNFTの価格が落ちたってなった場合は、NFTを売るっていう決断をすることによって、借り入れた分を返すか、もしくは自分で頑張って借り入れた分を返済するかっていうのは戦略を取らないといけない、そういう仕組みですね。

加門:そこコンパウンドとかとはまた違うとこですよね?別のデポジットするものものがあるみたいな。

木村さん:そうです。入札する側も入札デポジットが必要になってますね。

加門:いやうまいこと考えられてるんですね、ありがとうございますす。すごく自分としても木村さんがUnUniFiっていうNFTFi領域で何かされてるってのを聞いていて、ふむふむと思ってテストネットに参加してやってはいたんですけども、いやなかなかやることって何やってるんだろうみたい感じだったんですけど、今日は話を聞いて全体像がなんとなく理解できました。ありがとうございます。

ちょっと追加で聞きたいっていうか、今のところはUnUniFiっていうのはこういうものでっていう話を伺ったんですけども、例えばUnUniFiがこれからしたいこととか、これから必要としてることとかそういったものって、将来的な話をちょっと聞かせていただいてもいいでしょうか?

木村さん:UnUniFiは当然ながらマーケットにどんどん出品してくれる人とか、どんどんNFTを入札してくれる人がいることによってUnUniFiがどんどん活性化していくというか、どんどん手数料収益とかも上がってどんどんそのガバナンストークンホルダーに対して分配する収益ってのはどんどん増えていくっていう、そういう構造になっているんで、やっぱりNFTを出品してくれる人ってのを集めていく必要があると。で、どのように扱うかっていうとやっぱり一番必要だと思ってるのはもうプロダクトの良さを、もう王道のように追求していくというか、そこを訴求していくっていうことが大事だなと思っていて、最近打ち出したのが3Lっていうキーワードなんですけど、あげるんです。

加門:3Lですか?

木村さん:一つ目が、Largest amount of money you can bollow。要するに、担保率が高いんで借りられる額が大きいよってこと。

加門:なるほど。

木村さん:で、次に The lowest interest rate 。出品期間の延長の手数料のことが事実上の金利なんですけども、それが安い。

次は、The logest situation of the loan。借入期間が長い。これもその出品期間の延長を自由にできるっていうことによって、借り入れの期間を自由に調整できるんだ!っていうところで、出品する側にとっても既存のNFTFi領域のアプリよりも遥かに使いやすいNFTFiのアプリだよっていうことを、どストレートに訴求していくだとか、あとは入札側にとっては、やっぱりその入札をすることによって入札の出品期間延長の手数料が分配が受けられるよとか、そういったことを訴求していくということを考えています。

加門:うん。

木村さん:もう一つ更に考えているのが、言い方はこれ暫定案ですけど、UnUniFi Warみたいな考えてまして、これ完全に、curve warsを真似てるんですけど、資金としてはガバナンストークンのGUUホルダーで自分の好きなNFTプロジェクトに対して投票ができるようにするんですよ。

加門:投票ですか?

木村さん:はい、UnUniFiの中でいろんなNFTプロジェクト名前が管理されていて、それに好きなプロジェクトに出した方ができると。そうするとUnUniFiのトレジャリーですね。そういうマーケットの手数料とかで貯蓄された収益分とかそういったものが、例えば人気のNFTプロジェクトを出品または入札した人に対して手数料が受けられるとか、そういった考えで、どんどん人気のNFTがUnUniFiの中に集まってくる、そのような仕組みってのも設計中で取り入れようと考えていますね。

加門:いや、面白いですね。僕が想定した答えとしては、マーケットにさせたい人かなと思ったんですけど、それ以外に次の展望だとかっていうのは聞けてよかった。3L。いいですね。

木村さん:あと展望もう一つ。

加門:お!

木村さん:現状UnUniFiiのコミュニティ参加していただいてる方は結構知ってるかもしれないけど、アジアとかの方が多くて中国語のチャンネルとか、インドネシアのチャンネル、ベトナムのチャンネル、日本語のチャンネルとかが結構人気。あとロシア、ウクライナとかも結構活発なんですけども、北米とかっていうのがやっぱりアメリカとかがこのNFTの盛り上がりっていうと、かなり世界的にも中心地だと思うんで今後アメリカ北米中心のコミュニティも開拓していく必要があるというふうに考えてますね。

加門:なるほどですね。

私もDISCORDの方に入らせてもらって、いろんな多言語チャネルが一番多いんじゃないかっていうぐらいたくさんありましたね笑。本当になんていう熱量も高いし、数もアクティブな人がめちゃくちゃ多い。今何万人ぐらいいましたっけ?

木村さん:今2万4000人ぐらいいるんですね。

なんで、その人たちがいるっていうのはそれだけでもすごい楽しいなと思ってますし、Twitterの方も気付けば2万人3万人ぐらいいて、あれそんなに多いんだと思って笑。びっくりした記憶があります。

これから上の方に向かっていかれるということなので、もし北米に強いよって方いらっしゃったら、ぜひ皆さんの方からご連絡いただけると、もしかしたら良いマッチングになるかもしれません。

ということで、本日はですね、次世代のNFTファイナンスであるUnUniFiを中心に活動されている木村さんにいろいろお話を聞かせていただきました。

加門:木村さん、今日はありがとうございました。

木村さん:ありがとうございました。

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