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http://erc721.org/ より

ジオマーリン・システムズ 日置 玲於奈 (Twitter:@leo_hio)

当記事は、8月10日にプロダクト・クラウドセールの提案者として、アルファパートナーズ国際弁護士事務所でERC721でのクラウドセールが資金決済法をはじめとする規制にどの程度影響を受けるかインタビューしたことについてレポートしたものです。


ERC721とは、非代替トークンと呼ばれるものの代表的な規格であり、ビットコインやERC20規格を仮想通貨だとすれば、ERC721は仮想権利書とも言えます。ゴルフ場会員権からゲームのアイテムまで様々なデジタルデータの権利を1つ1つ売買でき、1つ1つが区別できるため非代替トークンと呼ばれます。

 

以下、非代替トークンの代表としてERC721を扱うこととします。

現在多くの開発者が規制と法律におびえて、ビジネスやプロダクトリリースのチャンスを見送っています。日本円やEtherとプロダクト内通貨の交換が自由にできないことが主なトピックであると思いますが、この判断をできる弁護士が非常に限られており、相談すること自体が難しい状況であるのが開発者にとって負担になっています。

 

さて、自身が法規制を受けることが分かった開発者は、ライバルの開発者の進捗が気になり、「規制」の2文字を大きな声で言い始めるのかもしれません。実際は巷で言われているほど、ブロックチェーン・エンジニアや事業者がすぐに脱法者にされるわけではないのです。

まず、イーサリアムやブロックチェーンという概念を抜きにして、トークンを売る際にも適用される法律の入り口から見てみましょう。

トークンが通貨かどうか?


これはトークンが決済に利用するものであるかどうかが最も重要な問題です。問題はERC20かERC721であるかではなく、最終的に決済に通貨として利用するかどうかです。事実ERC721は一応残高があり、送信するため、仕様によってはただのID付きの仮想通貨として利用できてしまいます。このような利用法でクラウドセールを行えば、ICOと全く同じ法的扱いを受けることとなります。
では、ERC721を決済に使わなかった時、どのような法的性格になりえるでしょうか?それはERC721トークンが何を指し示しているかによります。

資金調達or物販?

まず、ERC721トークンのクラウドセールが、それは資金調達物販であるか考えましょう。
簡単な基準として、もう売る商品があるかないかであり、前者なら物販、後者なら資金調達にあたります。もし、ERC721の販売が物販であるならば、特に必要資格はありませんが、特定商取引法に基づき常識的な消費者保護の態度で販売をすれば、法的問題は発生しないと思われます。
ERC721の販売が資金調達であるならば、それはクラウドファンディングとみなされ、「第2種金融商品取引業の登録」が必要となります。

クラウドセール後の取引

では、上述のクラウドセールの後、トークンを板で売却したり、新規に購入したりすることが当然考えられます。ERC721の取引所事業は海外でちらほらと出てきていますが、この巨大なポテンシャルのある市場は日本ではまだ着目されていない様子です。


ではERC721の板取引について次のようなケースを考えてみましょう。
これは事業者側の視点であり、利用者はいかなる規制も受けないので省略します。

①国内取引所を開設する


クラウドセールが物販であった場合、この取引所は中古品市場の機能をもつため、古物商の資格が必要となります。お近くの警察署の防犯係に行き、許可を取って下さい。他は必要ないと考えられます。

②海外取引所に上場する

これは、弁護士とのディスカッションには上がりませんでしたので、個人的な見解です。
国内法で規制できないので、もちろん許可は必要ありませんが、非常に難易度が高いと考えられます。規制以外のことをよく考えましょう。

③DEXに個人でデプロイする

「0x」と呼ばれるプロジェクトに関しては必ず調べることをお勧めいたします。任意のERC721トークンの板を開設し、取引可能にするプロトコルが現在テストで走っています。
法的扱いにおいて、誰でも取引板を開設できますが、誰のものでもなく、特定口座に手数料が入るわけでもないことはプロトコル仕様から明らかで、規制をする理由もなく、規制によって拘束する能力も法にはありません。許可・資格は逆に取りようがないでしょう。

総論
(以下は弁護士の判断ではない個人的な雑感です)

DEXの機能は目を見張る利便性と自由度がありますが、メインネットの手数料が現在高騰していることが問題となっています。

しかしながら、それはクラウドセールを行うことにおいても同じであり、クラウドセールの強い法的責任を考えれば、トークンを発行してDEXに板をデプロイし、指し値をしてトークンセールを行うほうが法的には合理的判断であるかもしれません。この方法なら多くのICOが「脱法」扱いを受けずに済んだのではないかと思う反面、倫理的問題の解決から遠ざかる可能性も考えられます。

個人的には、複雑な循環を定義するERC20自体の多くの用法が、基本的に社会的にあまりに新しく、法的性格も不透明になりやすいのに対し、ERC721の「モノをそのままトークン化」する性質が現実世界と齟齬が少ないため、法的性格としても透明性が高いと考えています。

上記の法律のディスカッションで得た結論の多くは、ブロックチェーンというデータベースで何が行われていようが、あまり社会側からは関係なく、実際のデータの意味や処理の結果は現実世界の何に相当するのかを考えるべきだという点です。

 

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