みなさんこんにちは。Stir labリサーチャーのPリズム(@prism_metaverse)と申します!
今回はPolkadot.jsを用いた、DOTトークンのステーキング方法について解説してきます。
取引所のUIで行えるステーキングと比べると少々手間がかかりますが、下記のやり方をマスターすれば取引所の信用リスクに依存せずにDOTがステーキングできます。
ぜひ参考にして頂ければ幸いです。
Polkadot.jsの概要
Polkadot.jsは、Polkadotに関連する様々なユーザー情報を一括管理できるプラットフォームです。
加えて、メインネットのDOTやカナリアネットワーク(※1)のKUSAMAの入金、出金以外にも、Polkadotエコシステム(※2)上のプロジェクトで発行されているトークンの入金、送金が可能です。
※1 カナリアネットワークとは
カナリアネットワークとは、事実上のテストネットを指しています。ただしEthereumブロックチェーンのテストネットよりは、メインネットに近いネットワークです。
※2 Polkadotエコシステムとは
Polkadotはメインネットだけではブロックチェーンを活用したサービスの構築ができません。そのため、メインネットを補佐するようなプロジェクトが多く立ち上がっているのです。そのようなプロジェクトをまとめて、Polkadotエコシステムと呼びます。
Polkadot.jsでステーキングするメリット
- Polkadotネットワークが実用的に稼働したとき、その時点からDOTは年10%(推定値)のインフレーションの影響を受けます。このインフレリスクに対抗するために、ステーキングは優良なヘッジ手段となります。
- ステーキングによりDOTトークンが年20%(推定)ほど増えることが期待できます。
- 取引所の信用リスクに依存せずにDOTのステーキングが可能となります。
Polkadot.jsでステーキングする注意点
- 委任しているステーキング先が不正を行った場合、自分がステーキングしているDOTに何らかの処罰が下ることがあります。
- ステーキング解除後、28日間はDOTがロックされます。28日後からDOTの送金が可能となります。イメージとしては、以下のような流れとなります。
ステーキングのためのアカウント管理について
DOTのステーキングをする際には、少々独特なアカウント管理を必要とします。
具体的にはDOTの管理を、「Stashアカウント」と「Controllerアカウント」の2つで行います。
以下に、それぞれのアカウントの特徴を解説します。
Stashアカウント: ステーキングするDOTを入れておくためのアカウントです。
Controllerアカウント: ステーキングの際の手数料を支払うためのアカウントです。このアカウントには、手数料に使うための少量のDOTを入れておきます。
このようにアカウントを2つに分割することによって、Polkadot上のアカウントを安全に管理することができます。
以上の特徴を挙げた上で、次の項目から具体的にステーキングする方法を解説いたします。
ステーキング手順
Stashアカウント、Controllerアカウントの作成
この記事では、Polkadot.jsを用いたステーキング方法を解説してきます。
まずはアカウントの作成をしましょう。
以下のページに飛び、「アカウントを追加する」を選びます。
https://polkadot.js.org/apps/#/accounts
アカウントを作成するためのポップアップウィンドウが表示されます。
記載されているニーモニックシードを紙などにメモした後、「I have saved my mnemonic seed safely」にチェックをいれてウィンドウ右下の「Next」をクリックします。
次に名前とパスワードを設定する画面に移動します。
「名前」の欄に、「stash」と入力してください。
※任意の名前を自由に設定できますが、Stashアカウントであることが認識できる名前を設定するのがオススメです。この記事の例では、「stash_自分の名前」を入力しました。
パスワードの設定も行ったら、「Next」をクリックします。
最後に確認事項が表示されます。
特に設定項目などはありませんので、確認が完了したら「保存」をクリックしてください。
上記の操作によって、アカウントの欄に作成したStashアカウントの存在が反映されます。
ControllerアカウントもStashアカウントと同じ要領で、同じサイト内にて作成を行ってください。
適切にControllerアカウントの作成を終えると、上記の画像のようにアカウントが2つ見れるようになると思います。
①がStashアカウント、②がControllerアカウントです。
なおアカウント管理の円滑化のために、ここで作成したアカウントをPolkadot.jsの拡張機能に登録しておくことをお勧めします。
Stashアカウント、ControllerアカウントをPolkadot.jsの拡張機能へ登録する
Polkadot.jsのブラウザ拡張機能は、以下のページの「Polkadot.jsウォレットの作り方」をご参考に設定してください。
Polkadot{.js}の作成から基本的な使い方、復元までを解説!
すでに拡張機能の設定が終了している方は、そのまま以下の作業に移っていただけます。
拡張機能の+マークをクリックし、続けて「Import account from pre-existing seed」をクリックします。
以下のような画面が出てきますので、「EXISTING 12 OR 24-WORD MNEMONIC SEED」の欄に登録したいアカウント(StashアカウントもしくはControllerアカウント)のニーモニックシードを入力してください。
入力が終わったら「Next」をクリックします。
次に、アカウントの名前とパスワードの設定を求められます。
任意のアカウント名(StashまたはControllerアカウントであることが識別可能な名前を推奨)とパスワードを入力し、「Add the account with the supplied seed」をクリックします。
新たに登録したアカウントがデフォルトのページに表示されれば、拡張機能へのアカウントの登録が完了しています。
上記ではStashアカウントについて登録しましたので、同様の手順でControllerアカウントについても登録しておくことをお勧めいたします。
DOTを入金する
先ほど作成したStashアカウント、ControllerアカウントにDOTを入金していきます。
デポジットする上で注意すべき点としては、以下の2つです。
- Stashアカウントには、ステーキングしたい量のDOTを入金する
- Controllerアカウントには、手数料として必要な分のDOTのみ入金する
DOTを入金する方法は、以下のページの「Polkadot.jsウォレットへの入金方法」をご覧ください。
Polkadot{.js}の作成から基本的な使い方、復元までを解説!
なお入金先アドレスとしては、この画面でアカウントをクリックした後に確認できるアドレスを使用してください。(下記の映像を参考に、自分のアドレスの確認を行ってください)
無事入金が終了したら、Stashアカウント、ControllerアカウントのDOT残高にDOTが反映されます。
ステーキング(ノミネート)
ではステーキング(ノミネート)を行ってみましょう。
まず、「Network」の「ステイキング」をクリックします。
ステイキングのページに移動したら、「Account actions」をクリックします。
「Account actions」をクリックすると、以下のような画面に切り替わります。
この時に、右側に表示されている「Nominator」をクリックしてください。
すると以下のようなページが出てきます。
各欄について、解説いたします。
●stash account ⇒ 自分が作成したStashアカウントを設定してください。
●controller account ⇒ 自分が作成したControllerアカウントを作成してください。
●value bonded ⇒ ノミネートに使用するDOTトークンの量を指定してください。なおノミネートには120DOT以上が必要となりますので、ご注意ください。
●on-chain bonding duration ⇒ ノミネートを解除してからDOTトークンが動かせるようになるまでの期間が表示されています。現時点では、28日間のロックアップ期間が設定されています。
●payment destination ⇒ 報酬の振込先のアカウントを設定してください。デフォルトではStashアカウントに設定されています。
上記5つの欄を全て入力し終えたら、右下の「next」をクリックします。
次に表示されるページにて、ステーキング先(ノミネート先)の選択を行います。
上部にある検索欄に希望するステーキング先の名前を入力し、選択してください。
なおステーキング先は複数選択できますので、1つのステーキング先だけではなく、他に2,3個指定しておくことをおススメいたします!
選択が終わったら、右下の「Bond & Nominate」をクリックしてください。
もしよろしければ、我々Stirが提供しているステーキング先も選択していただけると幸いです。
検索欄に「STIR-JP-BLUE」と入力すると、「candidate account」に「STIR-JP-BLUE」が出現します。それを選択して「nominated accounts」にしてください。
※STIR-JP-BLUEは、今のところPolkadotのバリデーターになれていないため、ステーキング先に選択いただいても報酬が発生しません。
STIR-JP-BLUEをステーキング先に選択していただける方が増えたら、報酬が発生する状態になることができます。
よろしければ何卒、選択の程よろしくお願いいたします。
最後に表示されるページで、右下の「Sign and Submit」をクリックします
するとトランザクションが発行され、ブロックチェーンにてデータが処理されます。
正常にデータが処理されると、下のような緑のメッセージが出現します。
上記の操作でステーキング(ノミネート)は終了です!
ステーキング状況の確認
ステーキングの状況を確認する方法を紹介いたします。
まず、「Network」の「ステイキング」をクリックします。
ステイキングのページに移動したら、「Account actions」をクリックします。
ステーキングが行われている状態であれば、「Account actions」のページにStashesという項目で何らかの情報が記載されていると思います。
「rewards」の部分が「Staked」という表示になっていれば、適切にステーキングされています!
以上でDOTのステーキング方法の解説を終了いたします。
お疲れさまでした!
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筆者:プリズム(@prism_cryptos)