ロシア仮想通貨政策関連ニュースまとめ(2022年1月〜2月)
プッシュ通知

こんにちは!StirLabリサーチャーのTOSさんです!

ここ数日、ウクライナ情勢の緊張から金融市場は大荒れの日が続いていますね。

先日、そんなロシアがビットコインを通貨として認めたことが話題になっていました。

そこで今回の記事では、2022年が始まってからのロシア政府の仮想通貨に対する主要ニュースをまとめて紹介し、法整備の取り巻く現状を整理したいと思います。

この記事の要点

・ロシア政府は仮想通貨を受け入れ、法整備を整えていく方向。
・対してロシア中央銀行は暗号資産に懐疑的である。
・政府と中央銀行との意見の食い違いは未だ解決していない。

仮想通貨制限政策に関して:ロシア中央銀行vsロシア政府(2022/01/25)

こちらの記事では、ロシア中央銀行が推し進めている暗号通貨に対する制限的な政策に対して、ロシア政府が支持しないことが報じられました。

立法府の議員たちは、中央銀行が提案する暗号通貨の全面禁止により、ロシアは世界の笑いものになると言っています。

ロシア中央銀行は暗号通貨に関する禁止法を制定するためのロビー活動を行いましたが、他の政府機関からは理解を得られていないことが明らかになりました。

ロシア政府や国会、内務省、連邦保安局といった法執行部門は中央銀行の提案を支持するつもりはないと報じられています。

ロシアではデジタル資産法案が採択されて以来、議員たちは一貫して税務面も含め、暗号資産産業を合法化しようとしてきました。

暗号課税を規制する法律の草案は既に下院ので承認されていますが、ロシア銀行は当初この提案を支持していたのにも関わらず、その最終採択を阻止し、全ての修正案を拒否しています。

この記事から、ロシア国内での、ロシア中央銀行とその他政府機関の暗号資産に対する態度が異なることがわかります。

ロシア政府、仮想通貨を通貨として認定 (2022/02/09)

この記事ではロシア政府と中央銀行が、暗号資産を通貨として認める法律の草案作成、または現行法の改正に合意したことが報じられました。

つまり、ロシアがビットコインを通貨として認めたことが報じられた記事です。

この合意は、一月にロシア中央銀行が金融システムを危険に晒す可能性があるという懸念から保持していた仮想通貨への制限の方針が大きく覆されたものです。

今回の発表では仮想通貨は、金融デジタル資産としてではなく、「通貨の類似品」として分類されることが理解されています。

この法案は、遅くとも2月18日までに作成されると報じられています。

仮想通貨に関する規制の制定と管理措置により、既存の金融システムに対する脅威を最小限に抑え、違法な目的での仮想通貨の使用を減少させることができると考えられています。

信用機関のキャッシュフローを確実に管理しながら、デジタル通貨の流通メカニズムを同国の金融システムに統合することを目指すことが、文章からわかります。

仮想通貨の通貨としての使用は、国内の銀行システム、または認可された仲介業者を通じた適切な身元確認後にのみ可能になり、60万ルーブル(8,016ドル)を超える運用は申告しなければならないとされています。

これらの法適要件を満たさない取引は犯罪行為とみなされ、仮想通貨を支払い手段として違法に利用した場合は罰金が導入されると予想されます。

また、仮想通貨市場参加者に対して、デジタル資産に関するリスクについてロシア国民への教育「義務」の導入も計画されています。

声明には、「コンセプトの実施により、必要な規制の枠組み作りが確実になり、デジタル通貨産業が合法的な事業活動の可能性が生まれる」と書かれています。

このニュースから仮想通貨を排除、または制限するよりも、むしろ法整備を整え受け入れることにより政府にメリットがあると判断したことが分かります。

先日米国の動向をまとめましたが、各国政府にとって暗号資産はもはや無視できない存在になっています。

続く中央銀行と政府の仮想通貨に関する対立 (2022/02/22)

この記事では、ロシア財務省がデジタル資産の「禁止」ではなく、「規制」を提案する法案を正式に提出し、中央銀行との対決を終わらす方向性を示したことが報じられています。

財務省は「デジタル通貨について」という連邦法の草案を政府に提出しました。

同省は、暗号通貨はあくまでも投資手段であり、「デジタル通貨の法的市場の形成、及びその流通と参加者の範囲に関するルールの決定」の必要性を述べています。

提出された法案では、仮想通貨の流通を促進するプラットフォームのライセンス制度を提案し、そのような事業が注意すべきリスク管理やデータプライバシーについて規定しています。

当該法案では、仮想通貨の合法的な売買は銀行口座を経由してのみ可能であり、仮想通貨プラットフォームと銀行の双方が顧客を明らかにする手続きを導入することが提案されています。

加えてこの法律では、デジタル資産運用者は仮想通貨取引に関するリスクについて個人顧客に通知することが義務付けられており、個人は仮想通貨投資の実践とリスクに関する知識を評価するテストに合格する必要があります。

試験に合格したものは、年間60万ルーブル(約7900ドル)の投資制限が課され、試験に合格しなかった者は、年間5万ルーブル(650ドル)までしか投資できないことになります。

さらに法案ではマイニングに関する正式な定義を導入しており、仮想通貨市場参加者が税務局にその活動を報告するための仕組みを規定しています。

今回提出された財務省の法案に対して、中央銀行が以前提出した法案は矛盾することになります。

中央銀行はデジタル資産の発行や流通を促進することは違法である、というスタンスを取っており、銀行やその他の金融機関は仮想通貨の保有や取引を認めるべきではないという中央銀行の立場に変わりはありません。

今後、ロシア国内で暗号資産法案に関しては中央銀行とロシア政府やその他政府機関との対立に焦点を当てて見守っていく必要がありそうです。

いかがだったでしょうか、今回の記事では今話題のロシアの仮想通貨に対する法整備動向をまとめました。

米国やロシアといった大国の方針は、今後の世界各国の仮想通貨への態度に大きな影響を与えます。

今後もStirlabでは仮想通貨に関する時事ニュースをまとめて発信していきます!

運営者情報

Stir lab運営元のSTIR (スター)は、ETHERSECURITY PACIFIC HOLDINGS PTE. LTD.(本社:シンガポール、代表取締役:加門昭平)及びその100%子会社である株式会社イーサセキュリティ(本社:東京都渋谷区、代表取締役:加門昭平、紫竹佑騎)が運営するWeb3 Consulting & Development Teamです。

 

X (Twitter)@Stir_Network_JP

LinkedInhttps://www.linkedin.com/company/14613801

運営元https://stir.network/

Twitterでフォローしよう

おすすめの記事