みなさんこんにちは!Stir labリサーチャーのプリズム(Twitter:@prism_cryptos)と申します!
今回の記事はクリプトVC徹底解説の補足記事です!
クリプト業界では何かと話題なベンチャーキャピタル。
その基本的な仕組みや役割について、簡潔にまとめました!
加えてベンチャーキャピタルとの比較を行う上で知っておいた方が良い「ヘッジファンド」と「アクセラレーター」についても触れていきます!
なお当記事の制作に関しましては、
Fracton Venturesの亀井様(Twitter:@tolehico)、
Astar NetworkのAyu様(Twitter:@at_aiu)
に一部ご協力いただきました! 誠にありがとうございました!
この記事を最後までご覧いただければ、クリプト業界の情勢をキャッチするために必要な知識が得られると思います!
※「VC徹底解説」というシリーズでは、クリプト領域に積極的な投資を行っている組織をひとまとめにVCと呼んでいます。ご了承いただければ幸いです。
ベンチャーキャピタル(VC)とは?
概要
ベンチャーキャピタル(VC)とは、創業して間もない企業、もしくは事業が軌道に乗り始めた企業(いわゆるスタートアップ、ベンチャー)への投資を行う投資会社です。
高い成長が予想される会社やプロジェクトの株式やトークンに対して投資を行うことで、ハイリターンを狙う点が特徴として挙げられます。
仕組み
VCの目的は、出資先の企業やプロジェクトが上場した際などに、出資の対価として受け取ったトークンや株式(エクイティ)を売却して大きな利益を上げることです。
VCの運営母体(金融機関や事業会社)や投資家などから集めた資金を、VCの投資担当者(ベンチャーキャピタリスト)の意思決定によって、スタートアップやベンチャー企業への出資に投じられます。
なお運営母体や投資家を持たない、独立系のVCも存在します。
独立系のVCはVC自身の資金を用いて投資先プロジェクトを選定します。
出資に加えてVCは、専門性を持った人材を出資先企業へ派遣し、経営助言や事業開発をはじめとする企業価値を高めるための活動も行います。
クリプト業界での知名度が非常に高いVC「パラダイム(Paradigm)」は、特に上記のような活動が盛んです。
実際にパラダイム所属のDan Robinson氏は、イーサリアムブロックチェーン上で人気の高い分散型取引所(DEX)であるUniswapへ、初期段階からV3に至るまで開発支援を続けています。
同じくパラダイム所属のsamczsun氏は、Sushiswapと呼ばれるDEXが109,000 ETHの損失を被る可能性があったトラブルを解決しています。
クリプト業界のVC
クリプト業界には主に以下のようなVCが存在しています。
各VCに関する詳細を知りたい方は、ぜひリンク先のページをご覧ください。
世界トップレベルの暗号資産投資会社「アラメダリサーチ」を徹底調査
Coinbaseとセコイアの出身者が設立したクリプトVC「Paradigm」を徹底調査!
③アンドリーセンホロウィッツ(a16z、andreessen horowitz)
ソフトウェア開発者で投資家のマーク・アンドリーセン氏とテクノロジー起業家のベン・ホロウィッツ氏の2人によって、2009年に共同創業されたVCです。
クリプト業界ではトップレベルの知名度を誇るVCで、出資先にはオープンシー(OpenSea)、ユニスワップ(Uniswap)、ソラナ(Solana)などが挙げられます。
またクリプト領域以外の出資においても圧倒的な成功を収めており、過去の投資先にはツイッター、フェイスブック、エアビーアンドビー(Airbnb)、ギットハブ(GitHub)などがあります。
(徹底調査記事は鋭意作成中です!)
ヘッジファンド(投資ファンド)とは?
概要
ヘッジファンドとは、投資家から集めた資金を用いて企業に投資を行い、その利益を投資家に分配する組織またはそのビジネスを指す言葉です。
仕組み
ヘッジファンドは、ベンチャー企業の未公開株、上場企業の株式などに手広く投資し、場合によってはヘッジファンド内のノウハウを用いて投資先への経営アドバイスや事業支援を行います。
上記のようなサポートを行うことで投資先の価値を高めて、上場時にトークンまたは株式の売却を行って利益を得るためです。
ベンチャーキャピタルとヘッジファンドの違い
ベンチャーキャピタルとヘッジファンドの主な違いは、投資先企業のフェーズ(成長段階)だと言えます。
ベンチャーキャピタルは創業間もないプロジェクトに対して投資しますが、ヘッジファンドはその限りではありません。
実際クリプト系のヘッジファンドであるポリチェーンキャピタルやスリーアローズキャピタルは、ポートフォリオにビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などを組み込んでいます。
投資対象としてある程度成熟しているBTCやETHを組み込んでいるのは、利益追求とリスク縮小のウェイトが高いヘッジファンドたる所以でしょう。
もちろん創業間もないプロジェクトに投資しているヘッジファンドも存在しているので、あくまでも傾向の話だとご理解ください。
むしろクリプト業界のヘッジファンドは、そのほとんどが新興プロジェクトへの投資にも積極的です。
画像:Three Arrows Capitalのポートフォリオ
クリプト業界のヘッジファンド
クリプト業界には主に以下のようなヘッジファンドが存在しています。
各ヘッジファンドに関する詳細を知りたい方は、ぜひリンク先のページをご覧ください。
①ポリチェーンキャピタル(Polychain Capital)
②スリーアローズキャピタル(Three Arrows Capital)
2003年に設立されたアメリカのヘッジファンドです。
ビットコインへの投資に早期から注目し、2013年にはビットコイン投資用のファンドを設立しています。
アクセラレーターとは?
概要
アクセラレーターとは新興プロジェクトを加速させるために、経営アドバイスの伝授や一定程度の出資、設備や施設(不動産含む)の貸し出し、他プロジェクトとの提携援助などを行う組織です。
仕組み
一般的にアクセラレーターは、アクセラレータープログラムと呼ばれる期間を定めたプログラムを用いて、プロジェクトの経営指南や事業開発の支援を行います。
実績のある企業が将来のイノベーションや新規事業のきっかけとするため、アクセラレータープログラムを主催する事例が多いです。支援対象となる企業やプロジェクトは、ビジネスプランコンテストのような募集形式により選考されます。
クリプト業界のアクセラレーター
クリプト業界には主に以下のようなアクセラレーターが存在しています。
各VCに関する詳細を知りたい方は、ぜひリンク先のページをご覧ください。
①ネクスト・ウェブ・キャピタル(Next Web Capital)
Astar Network を手掛ける Stake Technologies や、Web3.0領域の啓蒙・リサーチ活動を行っている
Fracton Ventures など、Web3.0 領域の第一線で活躍し、世界を舞台に事業を展開する日本人起業家 7 名によって設立されたアクセラレーターです。
ネクスト・ウェブ・キャピタルは暗号資産のユースケース拡大に向け、日本とアジアのプロジェクトを中心に暗号資産・ブロックチェーン領域における様々な最先端プロジェクトを支援しています。
アルゴランド・アクセラレータープログラムは、アルゴランド(Algorand)というブロックチェーンを開発しているアルゴランド・ファウンデーションが開催しているプログラムです。
プログラムに採択された場合は、アルゴランドエコシステム上で開発を行うプロジェクトに対して、運営指導をはじめに技術開発、資金調達、マーケティング、トークンエコノミクスの策定、等に関するサポートを提供すると公表しています。
クリプト業界におけるアクセラレーターは、主に2種類存在します。
1つが、プロトコル自体が自身のエコシステムを支援するために活動するアクセラレーターです。
②で例示したアルゴランドのプログラムや、ニア(Near)のプログラムが該当します。
2つ目が、プロトコルを限定せずに全体のブロックチェーンエコシステムへの貢献を目的として活動するアクセラレーターです。
①で例示したネクスト・ウェブ・キャピタルはこのような方針のアクセラレーターに該当します。
まとめ
以上の解説でVC、ヘッジファンド、アクセラレーターの違いがご理解いただけたと思います。
要約すると、
ベンチャーキャピタルは、創業して間もない企業への投資を行う組織
ヘッジファンドは、とにかくリターンを出すために投資を行う組織(投資対象の成長段階は問わない)
アクセラレーターは、創業して間もない企業へ様々なノウハウの提供を行う組織
と理解いただければOKです!
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筆者:プリズム(@prism_cryptos)