こんにちは、Stir LabリサーチャーのToshiです。
2022年1月17日にdAppsステーキングサイトであるAstar Networkが始動しました!
今回の記事では、dAppsステーキング利用の際に理解していた方が良い、Substrate Walletとブロックチェーンアドレス規格の違いについて解説していきます!
Astar mainnet is launched on @Polkadot! Developers are able to build their #dapp on Polkadot with our developer tools. Transactions and #EVM is enabled! @OKEx @HuobiGlobal @gate_io listed us to support our launch.
— Astar Network - Multichain Smart Contract Hub (@AstarNetwork) January 17, 2022
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dAppsステーキングではMetaMaskが利用できない!?
Astar NetworkでdAppsステーキングを行う際に、注意しないといけないのが以下のように出てくる表示です。
メタマスクを接続してdApps Stakingのページに訪れると「dAppsステーキングではSubtrate walletsしか対応していない」と表示されます。
Astar Networkでは(2022/1/21)現在、メタマスクウォレットを利用して、直接dAppsステーキングを行うことができません。
その背景には、Astar NetworkがSubstrateと呼ばれるフレームワーク上で構築されていることがあります。
フレームワークとはブロックチェーンの開発の枠組みのことで、フレームワークを利用することでチェーンの構築が簡略化されます。
そのフレームワークの相違により、互換性がないサービスやウォレットが存在します。
今回のAstar NetworkでdAppsステーキングができるウォレットと、できないウォレットがあるのも、その違いのためです。
今回の記事では、dAppsステーキングをより理解するために、Substrate Walletとは何なのか、そして規格の違いとは何か、解説していきます!
Substrate Walletとは?
現在Astar Networkで利用できるSubstrate WalletsはPolkadot.js, Clover, Math Walletの3つです。
ではそもそもSubstrateとは何でしょう。
SubstrateとはParityという会社によって開発された、ブロックチェーン開発を行うためのフレームワークです。
このフレームワークの特徴の一つはブロックチェーンのテンプレートが標準で実装されており、簡単に独自のチェーンを作ることができるところです。
またテンプレート対して独自の機能を追加して、高機能のチェーンを作ることも可能です。
その容易性、適応性や互換性から様々なプロジェクトに利用されています。
実際にSubstrateは150を超えるプロジェクトに利用されており、EnjinやSushiSwapもこのフレームワーク上に形成されています。
Polkadotはそんなプロジェクトの中でも最も初期に生み出されたチェーンで、Substrateを利用しているチェーンとPolkadotのRelay Chainと互換性を持つことから、Polkadotとよく一緒に紹介されます。
Astar NetworkもこのSubstrateというフレームワークを利用しているため、dAppsステーキングではSubstrate walletのみが使用できます。
そして、そのSubstrateで形成されたチェーンのアドレス規格はSS58と呼ばれます。
次にメタマスクとイーサリアムとその規格について説明していきます。
MetaMaskはEthereumベース
MetamaskはEthereumプラットフォームで構築されているウォレットです。
そしてEthereumの標準アドレス規格はH160と呼ばれ、Substrateで構築されるチェーンとアドレス(SS58)が異なります。
例えば、Substrateフレームワークを利用して構築されているPolkadotのウォレットであるPolkadot.js(SS58)へメタマスク(H160)から直接トークンを送ることができません。
異なるプラットフォーム同士でトークンを送金する際には外部サイトを利用し、アドレス規格を変更する必要があります。
これまでの話をまとめると、Astar NetworkのベースとなっているSubstrateフレームワークはSS58というアドレス規格、対してMetamaskのベースとなっているEthereumはH160というアドレス規格、という規格の違いによりステーキングが直接行えなくなっております。
最後にもう一度Astar Networkを例にこの二つの互換性について説明していきます。
Astar Networkにおける規格の違い
もしこれを読んでいるあなたがメタマスクウォレットしか持っていない場合、dAppsステーキングに参加するためには、Substrate Walletを開設してトークンをそこに送る必要があります。
Substrate Walletの一つであるPolkadot.jsの開設方法に関してはこちらの記事を参考にしてください。
またメタマスクウォレットからPolkadot.jsにトークンを送る際は、それら二つのチェーン規格が異なるため注意が必要です。
トークンの送金にはH160のアドレスをSS58に変更する必要があり、こちらの外部サイトを利用して行わなければいけません。
詳しい方法に関しては、こちらの記事の後半部分を参考にしてください。
また、Astar NetworkではトランザクションはEVMにも対応していることを忘れてはいけません。
つまり、メタマスクを利用してのトークンの送金や受け取りはAstar Network上でも可能です。
ただし、メタマスクを利用してのdApssステーキングの参加はより作業が必要になるため、最初からSubstrate WalletであるPolkadot.jsを利用することをお勧めします。
いかがだったでしょうか?
dAppsステーキングを行う際に注意表示される「Substrate Walletのみの対応」を不明瞭に感じる人が多いと思ったため今回の記事を作成しました。
今回の記事で少しでも多くの人の悩みが解決できれば幸いです。